山形県のタクシードライバー求人

国土交通省が調査した2019(平成31)年3月末時点での山形県内の法人タクシー会社の数は81社です。法人タクシー会社が保有している車両は1,255台です。山形県内の個人タクシーの車両台数は73台です。同じ東北地方の他県と比較してみると、法人タクシー会社の数と車両台数は6県中5番目で、個人タクシーの車両台数は6県中4番です。山形県内では大手のタクシー会社が参入するケースは少なく、地元で地域密着の事業展開をしている企業が目立ちます。特にタクシー会社が多いのが、山形市です。比較的知名度が高いタクシー会社の一つは、幅広い営業区域を持ち、タクシーだけでなくハイヤー事業も手掛ける山交ハイヤー株式会社です。こちらは山形市に本社があります。地域密着の老舗タクシー会社としては、山形県米沢市に本社があるツバメタクシーを挙げることができるでしょう。

山形県には、JR奥羽本線やJR羽越本線が通っています。山形県内の主要駅は、山形駅や米沢駅、天童駅です。いずれも山形新幹線が停車する駅ですが、同じく新幹線停車駅であるさくらんぼ東根駅やかみのやま温泉駅、新庄駅も、観光で訪れる人が多いため、タクシー利用が多くなる傾向にあります。また、山形県内には、山形空港と庄内空港があり、急いで目的地に移動したい人はタクシーを利用するようです。

山形県には、観光で訪れたくなる建造物や歴史が感じられる場所が多いのが特徴です。例えば、羽黒山五重塔の荘厳さは目を引くものがありますし、立石寺や注連寺、慈恩寺や日枝神社なども有名です。商業が盛んだった歴史を感じられる酒田市庭園や本間家旧本邸、山居倉庫などは、観光向けに整備されています。いずれの場所も、効率よく回るにはタクシーを活用したほうが良く、利用客が多くなっています。

庄内空港は別名「おいしい庄内空港」となっていることからもわかる通り、山形県は食の魅力が詰まっています。グルメ目的で山形県内を訪れる人もおり、そのような人を引き付ける施設やイベントも多くあります。さかた海鮮市場は、日本海沿岸でとれる海の幸を楽しむのに適した場所ですし、日本一の芋煮会フェスティバルも催されています。イベントには多くの人が訪れるので、公共交通機関は混雑することもあり、タクシーの利用が進みます。

また、山形県でしか味わえない施設やお祭りもあります。加茂水族館は、全国から人が訪れるくらげを専門とする水族館です。山形花笠まつりは、かなり昔から華やかなお祭り風景が知られています。一度は訪れたいと思う施設やお祭りは、土地勘がない人も多く訪れ、タクシーを利用するケースが目立ちます。

山形県内は観光資源が豊富にある場所です。蔵王温泉や湯浜温泉、滑川温泉や白布温泉は知名度が高く、国内外から観光客が訪れます。特に初めて山形を訪れる人は、せっかく来たのだからと効率よく観光地を回りたい人も多く、タクシー利用が進むようです。また、山形県ではさまざまなイベントが開かれます。山形花笠まつりや新庄祭り、羽黒山松例祭など地域独自の伝統的なお祭りの他、鶴岡冬まつりや蔵王樹氷まつりなど、季節的な特徴を生かした魅力的なお祭りもあります。いずれのイベントも盛大に行われ、多くの観光客が訪れることから、混雑する公共交通機関を避けて、タクシーを利用する人が増えているようです。

山形県内のタクシードライバーの給料は、会社のシステムや経験などにより異なります。ある会社では、基本給が16万円から23万円としており、そのほかに各種手当がつきます。また、賞与はなく、通勤手当も支給されないようです。一方、別の会社の求人票では、基本給が145,000円から200,000円となっており、歩合給があることで180,000円から300,000円程度の月給となることが記載されています。こちらの会社でも、賞与や通勤手当の支給はないとしています。正社員としてドライバーを募集している場合は、社会保険などに加入できるケースが多いですが、退職金制度の有無は、タクシー会社によってまちまちです。参考までに山形県のタクシードライバー（運転手）の平均月間給与は222,500円、賞与を含めた平均年収は2,687,700円となっています。
※ (一社)全国ハイヤー・タクシー連合会の調査による

山形県は、東北地方の南西部にあり、隣接している県は、宮城県・秋田県・福島県に加え、新潟県です。また、山形県は自然が豊かなエリアです。西には日本海があり、東には蔵王連峰、北には鳥海山系、南には飯豊朝日連峰がそびえています。県内の約85パーセントが山地で、山から駆け下る最上川は急流で知られています。山地が多い地形の山形県ですが、産業が発達し、農産物も豊富にとれることから道路の整備が進んでいます。主要な国道は、国道13号線・48号線・113号線・121号線・286号線です。

道路の整備が進んでいるとはいえ、特に山あいの地域では、冬の時期に雪道が多くなります。また、場所や時間帯によっては道路が凍結することもあります。タクシーはお客様を安全に目的地にお届けするのが仕事なので、運転技術を磨き、道路事情が悪い時には特に、丁寧な運転に終始したいものです。さらに、観光地が多くあるので、最新の観光情報を熟知しておくと、乗客とのコミュニケーションに役立つことでしょう。

山形県は、地域が置賜・村山・最上・庄内に分かれており、エリアごとに方言や食べ物、文化が少しずつ異なっているのが特徴です。山形県は昔、羽前国と呼ばれていました。県内のほぼ中心を流れている最上川を巧みに利用し、農産物などを京都に運び、交易で栄えていたようです。舟運が盛んだった名残は、最上川の川下りの様子から垣間見ることができるでしょう。最上川の途中には、奥の細道で有名な松尾芭蕉が読んだ句が記念碑として建てられています。山形県は東京から約300キロメートルの距離にありますが、江戸時代から人を引き付ける魅力があり、歴史に残る人物が訪れていたことが理解できます。

山形の県民性は、一言でいうと「忍耐強い」です。山形県は、日本海に面した山々のすそ野の地域にあり、隣県の新潟と並ぶ豪雪地帯です。テレビの朝ドラ「おしん」の舞台として有名になり、家族思いで忍耐強く、コツコツと努力を続ける山形県民の特性は広く知られるようになりました。また、山形県民はお金にシビアで、倹約家が多いことでも知られています。それは、米沢藩主であった上杉鷹山が提唱した「清貧の思想」が影響していると考えられます。