歩率・歩合率が高い方が稼げる?タクシードライバーの給与体制
タクシードライバーへの転職をご検討中であれば、多くの人が給料面・待遇は気になる点かと思います。特にタクシードライバーの職種においてドライバーの給料体系を理解することは非常に重要です。そこで、今回はタクシー運転手の給料について、主要な歩合に焦点を当ててご紹介します!
歩合・歩率とは
多くのタクシー会社においてタクシードライバーの給料(賃金)は固定給と歩合給で構成されます。このうち歩合給についてですが、タクシードライバーの給料の一部は、歩合や出来高に基づいてインセンティブのような形式で支給され、ドライバー個人の売上高に対して、所定の割合でタクシー会社とドライバー本人とで按分します。売上高に対するドライバー本人の取り分の割合のことを歩合率や歩率(以下、「歩合率」)と呼びます。タクシー会社の賃金体系には固定給と歩合給のバランスの違いにより、いくつかのパターンがあります。ここでは歩合の種類について詳しくご紹介します。
賃金体系の種類
賃金体系には3つの主要な種類が存在します。賃金体系は自身の労働スタイル、収入をどのように増やしていくか、そしてどのタクシー会社を選ぶかに大きな影響を与える要素です。したがって、求人に応募する前にこれらの種類を理解しておくことは非常に重要です。それぞれの賃金体系のメリットとデメリットは、ドライバーのキャリア、能力、個人の考え方によって異なることもあるため、詳しくご紹介します。
A型賃金【固定給重視】
A型賃金は、一般的な会社員のように固定給与が定められ、売上が一定以上の場合に歩合給が追加される制度です。以前はこのタイプの給与制度がいくつかの会社で見られましたが、近年ではほとんど採用されていない傾向があります。この制度では一定の給与が確保されるため、営業活動が苦手な社員にとっては魅力的な仕組みですが、一方で自分の努力を収入に反映させたい、やる気のあるドライバーには向いていないでしょう。
B型賃金【歩合重視】
B型賃金は、考え方としては固定給与がほぼなく、売上に応じて本人と会社が分配する給与制度です。例えば、月間売上が80万円で歩合率が50%の場合、単純計算で給与は40万円になります。売上に自信があるドライバーはこのタイプを採用している会社を選ぶことで収入が増える可能性が高まります。ただし、この場合期待した売上をあげられない場合に収入が非常に少なくなる恐れがあるため注意が必要です。とはいえ、雇用契約に基づいて正社員や定時制で勤務している場合は最低賃金が定められているため結局はAB型賃金に近い形式になるタクシー会社も多いのが実情です。
AB型賃金【混合型】
AB混合型賃金は、固定給与と歩合給を組み合わせた支給方式です。この方式では、一定の固定給与が保障されつつ、歩合給が主要な収入源となります。これは、自身の売上を伸ばすことで収入を増やす可能性があり、B型賃金(完全歩合制)に近い感覚を持つことができます。この給与方式は、まだ経験が浅い新人ドライバーにも安心感を提供できるため、大きな売上を上げる自信がない人にも適しています。ただし、一部の会社では固定給与部分が高額で、歩合給の割合が低い場合もありますので、注意が必要です。
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歩合率の高いタクシー会社
歩合率の高いタクシー会社とは、どの程度の歩合率を提供するかに焦点を当てたタクシー会社のことです。タクシードライバーの収入は基本的に賃金体系に準じますが、同じ賃金体系であっても歩合率はタクシー会社ごとに異なります。歩合率は、収入をどれだけ得られるかに大きな影響を与えるため、特に収入を増やしたいドライバーやベテランドライバーにとっては重要な要素となります。
歩合率の高いタクシー会社のメリット
歩合率の高いタクシー会社の主なメリットは、高い歩合率による高収入であり個人で稼げば稼ぐほど収入も増える構造です。通常、タクシー会社の平均歩合率は55〜60%(B型賃金基準)で、一部の会社では最大で65%近くまで歩合率が設定されています。これは、売上の半分以上がドライバーの収入になることを意味します。他の業種と比較しても、タクシードライバーは自身の収入を高く確保できる職種の一つです。通常、タクシー会社の求人情報には歩合率が明示されていることは少ないですが、面接や会社説明会、タクシー求人専門サイトの無料転職相談などを通じて、歩合率に関する情報を収集することができます。どんな些細なことでも気軽に相談して、自身に合った会社を見つける助けにしましょう。
歩合率の高いタクシー会社のデメリット
歩合率の高いタクシー会社のデメリットは、歩合率が高い代わりに、他の項目からの控除額が存在する可能性がある点です。タクシー会社では歩合率が異なることがあると前述しましたが、高い歩合率を提供する会社では、通常、乗務員手数料などの控除が多く発生することがあります。乗務員負担の手数料は撤廃されている傾向があるものの、依然として売上げから1%から3%の手数料が差し引かれることが一般的です。そのため、他社よりも歩合率が明らかに高いタクシー会社の場合、別途控除される金額に何があるか、最終的な収入がどうなるか、についてもしっかり確認しておくことが重要です。
歩合率の変動について
タクシードライバーの歩合率は売上に応じて変動することが一般的ですが、「最大60%」などの表記が多いです。しかし、これは最大の歩合率であることを理解しておかなければなりません。また、賃金形態によっても歩合率に影響があります。したがって、タクシー会社を選ぶ際には歩合率の範囲や変動要因を確認し、最終的な収入を見積もる際に注意を払うことが重要です。
また、歩合制度には主に2つの種類が存在し、それぞれ異なる方法で歩合給を計算します。一つは積算歩合制度で、運賃収入などを区分化し、各区分ごとに歩合率をかけた金額を合計する方式です。もう一つは累進歩合制度で、売上などに応じて歩合給が段階的に増減する方式です。(ただし、累進歩合制度は、長時間運転による事故やスピード違反を誘発する可能性があるため、近年では廃止の動きが強まっており、この制度を採用しているタクシー会社は少なくなっています。)
歩合率の差が1%でも、年収では大きな額に・・・
歩合率は微小な差でも、年単位の収入において大きな違いを生む要因です。したがって、できるだけ高い歩合率を提供するタクシー会社に就職することが理想的です。例えば、月間売上が90万円で歩合率が50%の場合、年間収入は約540万円となります。しかし、歩合率が51%だった場合、年間収入は約550万円となり、たった1%の違いが年間収入において10万円の差を生み出します。
ただし、歩合率を高めるためには条件が付くこともあるため、新人ドライバーは歩合率にこだわるだけでなく、売上が低い時期にも最低給与保障がどれくらい提供されているかを確認することが重要です。歩合率が高いだけでなく、安定した収入も考慮すべき要素です。
タクシー運転手が歩合給で収入を増やすためのスキル
流し営業をしない
「流し営業」とは、移動しながら顧客を探す営業方法のことです。流し営業を行っても顧客を獲得することはできますが、確実性に欠け、主要な収入源としては非効率的です。代わりに、無駄な流し営業を避け、お客を降ろしたら次の潜在的な顧客がいそうな場所に移動することをおすすめします。これにより、収入を確保する確率が高まります。
長距離狙いをしない
行き先や距離にこだわらず、柔軟にお客様を乗せる方が効果的です。なぜなら、行き先は乗客を乗せてみないとわからないことが多く、長距離の場合、戻るまでに多くの時間を要することがあり、逆に効率が悪くなることがあります。むしろ、距離を気にせず、継続的にお客様を乗せて回ることが、収入を増やす上で有効な方法です。
周囲の状況や情報を把握する
タクシーで収入を増やすためには、積極的に収入を得られる場所を探し出すことがおすすめです。そのために、周辺の情報を把握しておくことが大切です。例えば、近くにスタジアムがある場合、試合の終了時間や試合日程を知っておくと良いですし、コンサート会場がある場合は演目や終了予定時刻を把握することが役立ちます。さらに、どの年齢層の人々がそのエリアに集まるかを知ることで、収入を増やすためのポイントを見つけやすくなります。
サービス品質を向上させる
タクシードライバーの職業では、サービスの品質も非常に重要です。言葉遣いだけでなく、最適な経路を提案することも不可欠です。素晴らしい運転技術を持っていても、サービスの品質が低ければ、印象は悪くなります。このような心遣いを徹底することで、運転技術に自信がなくても、お客様に選ばれるタクシードライバーになることができるでしょう。
まとめ
タクシードライバーとして成功するためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、タクシー運転手の給料は歩合制が一般的であり、歩合率によって収入が大きく左右されます。そのため、歩合率をよく理解し、最適な会社を選ぶことが大切です。賃金体系には固定給制、歩合のみ、混合型などさまざまな種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身のキャリアや目標に合わせて選ぶことが重要です。また、歩合率が収入に与える影響は大きいため、1%の差も年収においては重要です。
賃金体系の選択に加えて、タクシー運転手の収入を増やすためにはいくつかのスキルや戦略も考慮に入れるべきです。例えば、流し営業よりも周辺の情報を頭に入れ、効率的にお客様を乗せることが大切です。行き先や距離にこだわらず、柔軟にお客様を乗せ、積極的に稼ぎ場所を見つけることも収入増につながります。さらに、タクシードライバーはサービスの品質も求められます。言葉遣いや提案する経路など、お客様に対する心遣いが大切です。優れた運転技術だけでなく、サービスの質も高めることで、お客様から選ばれる存在となるでしょう。
最後に、タクシードライバーとして成功するためには、収入面だけでなく、お客様へのサービス提供や地道な努力も欠かせません。自分に合った賃金体系や歩合制度を選び、スキルを磨き、お客様に喜ばれるサービスを提供することで、タクシードライバーとしての成功が見込めます。
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