タクシーの営業区域について

タクシーの営業区域について

タクシーは場所を選ばず自由に営業をして良いという訳ではありません。「営業区域」と呼ばれる、タクシー会社ごとに指定された区域内のみに限られ、この外で営業することは禁じられています。タクシー運転手として働くなら営業区域について、きちんと知っておきましょう。

営業区域は法令で定められている

営業区域とは、タクシー会社や営業所の所在地にもとづいて国土交通省が指定する、そのタクシー会社の営業が許可された区域のことです。タクシーを運行する際は、お客様の乗車地と降車地のどちらかが、この営業区域内でなければいけません。営業区域は、タクシーの需給量の調整のために設けられており、営業区域ごとに乗車料金も異なるのが一般的です。

営業区域を超えた運行が可能な場合

タクシーの運行は、基本的には営業区域内のみと定められていますが、例外もあります。例えば、営業区域内で乗せたお客様が区域外の目的地を指定した場合は、区域を越えての走行が可能です。営業区域外でお客様を降車させた後は、営業区域まで戻ることになりますが、その際にはなるべくお客様に呼び止められないよう、タクシーの前方にある表意を「回送」に切り替えます。

ただ、「回送」の表示にしていても、お客様が手を挙げて呼び止められることもあります。その際にお客様の目的地が営業区域であれば、お客様を乗せて運行することができます。

タクシー営業の禁止行為として、道路運送法第20条に以下の記述があります。

一般旅客自動車運送事業者は、発地及び着地のいずれもがその営業区域外に存する旅客の運送(路線を定めて行うものを除く。)をしてはならない。

出典:道路運送法 第20条

タクシー営業でOKな行為・NGな行為

東京都の営業区域について

東京都の営業区域は、以下の5つに分かれています。

営業区域 対象となる地域
東京特別区・武三交通圏 東京23区、武蔵野市、三鷹市
北多摩交通圏 立川市、府中市、国立市、調布市、狛江市、小金井市、国分寺市、小平市、西東京市、昭島市、武蔵村山市、東大和市、東村山市、清瀬市及び東久留米市
南多摩交通圏 八王子市、日野市、多摩市、稲城市及び町田市
西多摩交通圏 青梅市、福生市、あきる野市、羽村市及び西多摩郡瑞穂町、日の出町、多摩町、檜原村
島しょ区域 島しょ毎

例えば、東京特別区・武三交通圏を営業区域とする場合、23区内で乗客を乗せ、北多摩交通圏である立川市で降ろすことは可能です。その帰りに立川市で乗客を乗せ、武蔵野市や三鷹市で降ろすことも問題ありません。ただし、立川市で乗せた乗客を、府中市や八王子市、青梅市まで輸送することはできません。

違反するとどうなるの?

すでにお伝えしたように、対象となる営業区域の外側でお客様を乗せて、営業区域の外側で降車させた場合には違法営業となります。その場合には、そのタクシー運転手が所属するタクシー会社が行政処分を受けることになります。

違反した場合の罰則に関しては、以下の道路運送法第98条をご覧ください。

次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。

出典:道路運送法 第98条

区域外での営業はタクシー会社に知られる仕組みになっている

営業区域外で営業をしてしまうと、タクシー会社が処分を受けることになります。それではタクシー運転手個人が営業区域外で営業しても罰則を受けないのではないか?と思うかもしれません。タクシー運転手が自分から言ったり、誰かに言われたりしなければ、タクシー会社にバレることはないのではないか?と考える方もいるでしょう。しかし、最近では運転手がごまかしたとしても、タクシー会社がごまかしを把握できる仕組みになっています。それにはタクシーの乗務記録がかかわってきますので、まず乗務記録について確認しておきます。

旅客自動車運送事業運輸規則という法律によって、タクシー運転手には乗務記録(営業日誌)をつけることが義務付けられています。

一般乗合旅客自動車運送事業者及び特定旅客自動車運送事業者は、事業用自動車の運転者が乗務したときは、次に掲げる事項を運転者ごとに記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
一 運転者名
二 乗務した事業用自動車の自動車登録番号等当該自動車を識別できる記号、番号その他の表示
三 乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離
四 運転を交替した場合は、その地点及び日時
五 休憩又は仮眠をした場合は、その地点及び日時
六 第二十一条第三項の睡眠に必要な施設で睡眠をした場合は、当該施設の名称及び位置
七 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第六十七条第二項に規定する交通事故若しくは自動車事故報告規則(昭和二十六年運輸省令第百四号)第二条に規定する事故(第二十六条の二及び第三十七条第一項において「事故」という。)又は著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合にあつては、その概要及び原因
八 乗務した事業用自動車(乗車定員十一人以上のものに限る。)に車掌が乗務した場合は、その車掌名
九 前号の場合において、車掌がその業務を交替した場合は、交替した車掌ごとにその地点及び日時
(後略)

出典:旅客自動車運送事業運輸規則 第25条

この乗務記録(営業日報)は、昔はタクシー運転手が手書きしていましたが、この場合には区域外で営業しても、ごまかすことができてしまいました。しかし、最近ではGPSによって、自動的に記録するようになっています。タクシー運転手がお客様を乗せて「空車」から「賃送」に切り替えるときの情報などを記録しているのです。また、お客様を降車させるときにも表示を切り替えますが、その際の記録も残しています。タクシー運転手が、区域外での営業をしないような仕組みができました。

今回はタクシーの営業区域についてお伝えしました。営業区域を守らなければ、乗務ができなくなることもあります。タクシー運転手の場合、これからタクシー運転手になろうと考えている方も場合には、営業区域について必ず覚えておきましょう。

なお、タクシー運転手は40代・50代など中高年で未経験でも活躍しやすい特徴があります。仕事をお探しの方は、タクシー運転手もご検討してみてはいかがでしょうか。少しでもご興味があれば、こちらの「タクシー運転手の求人を検索」からお仕事をお探しください。

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