なぜ二種免許不要で転職できるのか?退職する際のペナルティは?
2種(二種)免許とは?
第二種運転免許(二種免許)は、バスやタクシー、運転代行サービスなど乗客から運賃を受け取って輸送する運転者に求められる免許です。私たちが私的に公道を運転する目的で取得する免許は、第一種運転免許(一種免許)です。一方、二種免許は事業用のプロフェッショナルドライバー向けの免許です。二種免許を取得するには、まず一種免許を取得している必要があり、さらに基本的には取得後3年以上経過している必要があります。(※特別な教習を修了することで、19歳以上かつ普通免許取得後1年以上経過で受験資格を得られます)二種免許は、運転者が運賃を受け取りながら乗客を運ぶために必要です。
ちなみに、学校などの送迎バス、ホテルやショッピングモールのシャトルバスなどの車両は一種免許でも運転者が運転できます。これらの車両は、乗客の輸送自体で運賃を受け取る訳ではないため、一種免許で運転することができるのです。また、事業用自動車は、自家用車とナンバープレートの色が異なることをご存知でしょうか?自家用車は白いナンバープレートを持っているのに対し、事業用自動車には緑色や黒色のナンバープレートが付いており営業ナンバーとも呼ばれます。営業用のバスやタクシーは緑のナンバープレートを持ち、一方で送迎バスやシャトルバスは白いナンバープレートを使用します。営業ナンバーは運転者の一種免許や二種免許に関わらず事業用自動車に適用されます。
仕事に生かせる二種免許!
二種免許を取得することで、プロの運転者としてバスやタクシーなどの職業に就けるだけでなく、介護送迎などの旅客運送に関連する職業にもチャンスが広がります。この種の仕事は、需要が急速に増加しており、人手不足の問題が続いています。しかし、出勤日や勤務時間が柔軟で、自分のスケジュールに合わせて働くことができます。また、安定した収入を確保できるため、安心して取り組める職業の一つです。
さらに、多くの場合、寮や食堂の提供、各種保険(雇用保険、労災保険、社会保険、厚生年金保険など)、各種手当(家族手当、住宅手当、皆勤手当など)など、充実した福利厚生が提供されています。そのため、二種免許を取得しておくことは、就職活動において大きなアドバンテージとなります。
また、自分のビジネスを独立開業し、バス事業、タクシー・介護タクシー事業、運転代行業(自動車運転代行業)などの旅客輸送ビジネスを検討している場合にも、二種免許は非常に役立つ資格です。
二種免許が活かせる仕事は?
有償で旅客自動車を運転(旅客運送運転)を行う際に、運転者は二種免許が求められます。こちらでは二種免許を求められる具体的な職種のを紹介します。
タクシー・ハイヤーの運転手
乗車定員11人未満の自動車を貸し切って旅客を運送する自動車の運転手です。道路運送法における一般旅客自動車運送事業の一般乗用旅客自動車運送事業に該当します。有償で乗客を目的地まで運ぶため、タクシー運転手は二種免許が必要です。タクシーやハイヤーの運転手は、中高年の方でも活躍している方が多く、個人タクシーとしても働けるチャンスがありますので、定年を気にせずに働けることが特徴といえるでしょう。
介護タクシーの運転手
介護タクシーは、身体的な制約がある要介護者などが通院やリハビリなどの外出に利用するためのタクシーサービスです。このタイプのタクシーは、利用者が車椅子やストレッチャーに乗ったまま快適に移動できるように特別に設計されています。介護タクシーの運転手には、通常は二種免許が必要ですが、介護保険タクシーの場合は二種免許に加えて介護職員初任者研修の修了が必要です。
路線バス・観光バス・高速バスの運転手
路線バスや高速バスの運転手は、乗合旅客を輸送する仕事を行うために、道路運送法において一般旅客自動車運送事業の一環として扱われ、具体的には一般乗合旅客自動車運送事業に分類されます。旅客バスや観光バス、高速バスの運転手は、乗客を安全に運ぶために二種免許を持っている必要があります。
運転代行業
2004年以前、自動車の運転代行を行うためには一種免許が許可されていましたが、現在では法改正により二種免許が必須です。近年、飲酒運転の厳罰化などから、運転代行サービスへの需要が高まっており、それに伴い運転代行業界も成長しています。
二種免許の取得費用を負担してくれるタクシー求人が多い
タクシードライバー(タクシー運転手)に必要な二種免許。その取得費用を負担してくれるタクシー求人は多くあります。どうしてタクシー会社が費用を負担してくれるのでしょうか?また、二種免許を会社負担で取得した場合、退職する際に起こるトラブルについても学んでいきましょう。
二種免許の取得は一種免許を取得したときと同じように、自動車教習所を活用して通学や合宿で学科教習と技能教習を受け、運転免許センターに試験を受けに行く方法、もしくは直接運転免許センターに行って試験を受験する方法があります。この費用を負担してくれるタクシー会社がとても多くあります。
普通一種免許を持っていれば採用してもらうことができ、研修の一環として二種免許を取得させてもらえます。その研修中には給料も支給されるというメリットがあります。
関連記事 二種免許の取得について
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どうして免許取得費用を負担してくれるの?
本来なら二種免許を取得した状態で転職すべきではあるのですが、現状は二種免許を取得する前に雇ってくれるタクシー会社が多いです。その理由としてはタクシー運転手の人材が不足している会社が多いことが挙げられます。一種免許を持っているひとはいるにしても、二種免許を持っている方はそう多くはありません。もし二種免許を持っていなければ応募できないとなれば、当然タクシー求人に応募してくる人材は少なくなってしまいます。タクシー業界だけの問題ではないのですが、売り手市場(当該業界を希望する求職者に対して求人が多数ある状態)の今、どこの会社も人材を求めています。
そうした背景がある中、幅広い層に募集かけ、1人でも多くの人材を獲得していくためにはタクシー求人に魅力を感じてもらう必要があります。その魅力の1つとして二種免許の取得費用を会社で負担したり、入社祝い金を支給したり、寮を作って住まいのサポートをしたりしているのです。
二種免許の取得にかかる期間は?
二種免許の取得にかかる期間は取得の方法によって異なります。合宿であれば最短8~10日程度で取得可能ですが、通学の場合は約20日が目安となります。合宿の場合、教習所に一定期間滞在し密集したカリキュラムで教習を受けることができるため、短期間で集中的に学ぶことができます。取得までの期間が比較的短くなるので免許取得を急ぐ方には適しています。通学の場合は平日や週末に定期的に通学して教習を受けることができるため、自分のペースで教習を受けることができます。ただし、通学は日数がかかることから免許取得までの期間が長くなります。
二種免許の取得にかかる期間は個人の学習スピードや経験によっても異なるため自身の都合や目標に合わせた取得方法を選ぶことが重要です。
二種免許の取得が19歳から可能になる方法も
二種免許試験を受験するための条件として、原則としては、満21歳以上、一種免許を取得して3年以上経過しているという事項があります。高校卒業の新卒者がタクシー会社に就職する場合、21歳を迎えるまではタクシー乗務員として従事できないため、タクシー会社は高卒採用が困難な状況でした。
二種免許試験受験資格の見直し
この受験資格が令和4年5月に見直され、特例教習を修了することで、満19歳以上、一種免許を取得して1年以上経過していることで、二種免許、大型免許及び中型免許の運転免許試験を受けることができるようになりました。
受験資格特例教習について
<年齢要件に関する特例を受けるための教習>
二種免許等の受験資格のうち、年齢要件を19歳以上に引き下げる特例を受けるための教習の課程では、旅客自動車等の運転に必要な適性(自己制御能力)に関し、座学や実車を含む7時限以上の教習を行います。
<経験年数要件に関する特例を受けるための教習>
二種免許等の受験資格のうち、経験年数要件を普通免許等保有1年以上に引き下げる特例を受けるための教習の課程では、旅客自動車等の運転に必要な技能(危険予測・回避能力)に関し、座学や実車を含む29時限以上の教習を行います。
タクシー会社を退職をする際には諸費用を返還する必要がある?
タクシー会社の負担で二種免許を取得して、何らかの事情で退職する場合もあるかと思います。タクシー会社の立場からしてみれば、せっかく従業員のために先行投資をして二種免許を取得してもらったのに、退職されてしまっては手痛い損失となり、それが早期であればなおさらです。実際、二種免許取得後すぐに退職したことをめぐって裁判になった例もあります。
タクシー会社の負担で二種免許を取得する場合、退職や費用返還の条件がタクシー会社ごとに定められていることがほとんどで、多くのタクシー会社では一定期間勤続することで返還する必要が無くなるが、早期退職の場合は費用の返還を求められる場合があるようです。具体的には雇用契約書や入社時の書類に書かれていることが多いので、そちらをよく確認しましょう。
二種免許を自力で取得する場合の費用は?
教習所に通う場合の二種免許取得費用は、一般的に25万円から40万円程度とされており、これには教習料、試験料、教材費などが含まれます。教習所では合宿と通学の2種類の取得方法がありますが、合宿の場合は20万円前後が相場となっています。
また、既に他の免許を持っている場合や経験によっても費用が異なることがあります。特に大型、中型、準中型免許を持っている場合、二種免許への切り替えにかかる費用が抑えられることがありますので事前に詳細を確認することが重要です。
ちなみに、免許試験場での一発試験の受験料は約4万円程度ですが、こちらは合格率が非常に低くなっています。そのため、複数回試験を受けることを考慮すると教習所に行って取得する方法が確実性が高く費用を抑えられる可能性があります。
二種免許を持った状態で入社するメリットもある
免許の取得費用を会社が負担してくれることが多いので、免許取得者は損なのではないか?と感じるかもしれませんが、二種免許を取得した状態で入社することにはメリットもあります。例えば、費用返還の縛りがないことです。費用面ではいつでも退職できると思えるので、少し精神的に楽かもしれません。また、二種免許を持っている方の場合は、入社祝い金を多くもらえることがあります。入社祝い金に関して詳しくは次の記事をご覧ください。
二種免許の取得に関してはタクシー会社が負担してくれる求人が多くあります。その他にも、入社祝い金や住まいのサポートなどの特典を用意しているタクシー会社も多いです。ただ、どの特典を用意しているかはタクシー会社によって異なります。求人を探す際にはこうした特典も選ぶ基準の1つとしても良いのではないでしょうか。それでは早速、タクシードライバー・運転手の求人を探していきましょう。
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